県広報コンクールの開催
全体として言えば、いい広報誌はメリハリがきいていると感じました。きらりと光るコラムはあっても全体の中で埋没していたり、コンテンツは多いけれどいずれも中途半端だったり、というケースがありました。しっかり書き込んだカバーストーリーがあって、かつ、その団体の特色を生かした定型コラムが複数ある媒体は読み応えがあり、高く評価できました。 もちろん、予算上の制約はあるでしょう。でも、カネをあまりかけていない媒体であっても、その団体ならではの味わいのある記事を載せた広報誌には感動がありました。大切なことはそれぞれの団体が持っている「現場」を生かすことです。現場には必ず感動があるからです。そして、現場を生かすためには、編集者自身が現場に出て行く必要があります。 現場を生かしきれていなかった広報誌をみると、せっかく良い素材がありながら、説明や事業紹介に終始し、見出しやレイアウトの工夫がなかったために感動が伝わらなかったものがありました。当事者からの寄稿に頼るのもコストパフォーマンスから言えば、悪くはありませんが、寄稿の多くは説明調になったり、自慢話になったりしがちです。やはりカバーストーリーは第三者が当事者の話を聞いて記事にした方がよいと思います。 約半数がJAの広報誌。いわば、身内同士なので当然のように企画内容が似たり寄ったり。読んでいて、かなりきつかった。 子どもからお年寄りまで、あらゆる層の人を紙面に引っ張り込んでいるのはとてもいい。農業が衰退していくと嘆く声も多く、消費者としては大いにエールを送りたいところである。農家の人が自信を持って「農」を続けていけるように、新しいことにチャレンジしていけるように、希望を持てるように、広報紙が後押しをしていってほしい。 出品作品のなかで特に目を引いたのが、「かけがわの森から」というB4版2ページの小少情報紙。スペースが少ない分、内容は凝縮され、簡潔にまとめられていて、とても好印象を持った。ページ数が多ければいい、編集を外部に委託しているからいいものができるというわけでは、決してない。 以前の号を手本に作っていくのではなく、前号とは違ったものを作っていくという心構えが大切だと思う。1部100〜150円というお金をかけて作る情報誌である。手に取ってすぐゴミ箱直行にならないために、きちんと読者層を把握し、読者が欲する情報プラス発行者の意図をこめた企画を立てていく。それは、作り手と読み手の目線が同じところにあって始めて、ゴミ箱に行かない広報紙となりえる。 あなたの作っている情報誌の目線はどこ? 町広報誌部門に比べると外部委託が増えている関係で、担当者の熱意や意図の伝わり方が若干弱まってしまっているのかもしれません。 広報誌というものは各団体の考え方や伝えたい事柄を担当される方々の熱意や工夫でどう伝えていくか、そこが肝になるんではないかと思います。 各団体とも、情報量・質ともかなりのレベルでまとまっていると思います。 さらにレベルアップするために 担当者の方々の熱意と工夫に期待させていただきたいと思います。 |
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