県広報コンクールの開催
全体的に広報紙の“顔”である表紙の写真にこだわりを感じた。中小規模市の奮闘が目を引いた。担当者が多い市は写真、レイアウトとも一般にあか抜けている。ただ少ない市も企画を工夫したところが多かった。文章の文字をできるだけ絞り込み、一文一文を短くした方が読みやすい。ちょっとしたところで随分違うことを知ってほしい。 不特定多数の市民に行政の動向や市民活動などの情報を伝えるべき広報誌であるが、内容に於いて市民に役立つ情報かどうかは限度がある。しかし、企画内容、デザイン次第で一人でも多くの市民に親しんでもらうことが可能です。今回、審査対象となっているいずれの広報誌も平均点以上の水準で甲乙つけがたい内容だった。 企画の切り口の発想については、いずれの広報誌もタイムリーな諸問題に対応したテーマであり、意義深いものがあった。しかし、その扱いが、特集として深く掘り下げた内容になっているか、否かで差があった。全体のページ数にもよるが、2頁で完結させるか、8頁で完結させるかでは大きな開きがあった。一つのテーマに対して,あらゆる側面から情報を分析し、デザインに落とし込む作業は時間と労力を要するが、それは大切なことである。行き当たりばったりでは、興味も半減し読者にも伝わらない。 文章表現力として、キャッチフレーズ、小見出しコピーなど、たった1行のコピーで誌面の魅力度は大きく変わる。その配慮がなされている広報誌に高得点をつけた。それは、デザイン、レイアウトの善し悪しにも関わってくる。評価の高い広報誌のデザインは総じて、文字表現においても魅力があった。 デザイン&レイアウトについては、いずれの広報誌もプロのデザイナーによるものであろう、どれも遜色なく整理されていたが、情報を整理する事でさらに良くなるであろうと思えるものも多々あった。無闇に写真を多く使えば良いというものでも無く、余白を活かす工夫、写真のトリミングや大小のメリハリ、カットイラストなど上手く使いこなすことが魅力的な誌面をつくる秘訣となる。 ●各市広報誌担当の方々がご苦労されているだけにいづれも拮抗しており、優劣をつけるのに苦労しました。敢えて気がついた点を3点に絞りました。 (1)その号のメインテーマは何か?(特集は『顔』) ひとつはその号で何を一番伝えたいのかということです。分かり易く言えば「特集」です。発行のタイミングで何を特集するか、テーマとして何が相応しいか、更に大切なのは、テーマの掘り下げです。読み手である市民が理解し、事象によっては行動に移していただくために何が課題なのか、一緒に考え、理解を深めてもらうためのストーリーをどう組み立てるかが重要です。 (2)デザイン・レイアウトをすっきりと! レイアウトのフォーマットができていない広報誌もあります。グラフ誌で無い限り、読み易さを基本に考えなければなりません、パッと見て読みにくいと読者が思えば読んで貰えません、文字量、書体、大きさ、色使いに細心の注意を払いましょう。 (3)『お知らせ』情報を見易く、検索しやすく! 各市とも全体の頁数で最も多いのは「お知らせ」頁です。 文字ばかりになりがちなお知らせ情報が数頁に亘って続けているケースが少なくありません。必要とする人が見つけやすいようにするにはどうすれば良いかまだまだ工夫の余地はありそうです。 ・お知らせ情報は様々、主体が市なのか市民なのか?(催し、講座・教室、募集、新制度、情報ひろば、知っとく情報、くらしの情報、スポーツ、生涯学習、健康・・・) ●他市広報誌と比較してみましょう。 以上のことはご担当者が既にやっておられることですがついつい自分視点で考えがちです、他市広報誌からヒントを得て、再度客観的に見直し、更なる工夫をされることをお薦めします。 |