県広報コンクールの開催
町内の「人」に焦点を当てた特集、歴史や記録性に着目した企画、社会構造的な問題に切り込んだ特集と、それぞれ個性があった。それを同列に審査するのは大変だったが、少子高齢化、買い物難民という問題を扱いながらも、手書き風の字体、パステルカラーを多用するなどして、親しみやすい紙面づくりへの思いがうかがわれた広報かわねほんちょう10月号が印象に残った。 広報よしだ9月号の元気なお年寄りの写真は迫力満点。それぞれ文字数は多めだが、気にならなかった。それぞれの全身写真の横に添えたひとしなの写真もその人らしさをよく伝えていた。また、丹那トンネル80年の歴史に真正面から取り組んだ広報かんなみ5月号も、町民がふだん何気なく接している丹那トンネルに意識を向けてもらおうという意識が感じられ、町広報紙としての役割をよく果たしていた。 私が町広報紙に接するのは、20数年前に岐阜県の支局に勤務していたころ以来。当時はパソコンもデジカメもなく、白黒の紙面で広報紙は決しておもしろいものではなかった。しかし、今回、各町の広報紙に接してみた、紙面もカラフル、写真も迫力があり、さらに町民に読んでもらいたいという意識が垣間見え、町広報紙の全体的なレベルアップを実感した。お世辞ではなく、大都市の広報紙よりもずっと身近な存在に感じた。 町というのは小さな単位です。私が住む町も小さな町です。昔からの結びつきが強く、ほとんどが同じ土地に代々住み続けています。 若い頃は大きな街に出たくてたまりませんでしたが、年を重ねるにつれ、生まれた時から関わりのある人たちがまわりに住んでいるという事ほど、安心で、かけがえのない事はないと思うようになりました。 そんな私たちのつながりを強める事も、町の広報紙の役割かも知れません。 「ここに住む実感」を思い出させてくれる町の広報紙。月に一度発行される町の広報紙に目を通さず生きていたら、どんどん地域での生活感が薄れていってしまう気がします。 作り続ける事は大変な作業でご苦労も多いと思いますが、本当に意義がある活動だと思っています。 そこに住む人たちが、住む場所に興味と関心を持ち続けるために。 それはいつか、助け合わなくてはいけない事が起きた時に、きっとみんなを支えてくれる結びつきになっていくのだと思います。 これからも地域貢献の一環としての視点で、町の広報紙を応援して行きたいと思います。 審査におきましては、各地域の特性がよくわかる特集記事も多く、大変楽しく拝見させていただきました。今年も審査を通し、有意義な時間を過ごせた事に感謝いたします。 ありがとうございました。 ・年々、企画力がアップしてきている。 企画(特集)のポイントは、「今なぜ、この企画なのか」ということが明確であることだ。 ・レイアウトの大胆さが紙面にメリハリをつけることにつながっている。 ・全体的に写真の力が弱い。 (1)見せ方がパターン化している。 (2)表紙写真にリアリティが薄い(ポーズを作りすぎている)。 (3)トリミングに迷いがある。 (4)表紙の写真と中面の写真の選択の仕方にも課題が残る。表紙に成り得る写真を見極めることが重要である。 ・文章でもリアリティを出すことに注意する。 平均していえば、コストパフォーマンスの点でも、よく研究されている。 ・もっと、多くの団体に本コンテスト参加して欲しい。そうして、互いに切磋琢磨することで、静岡県の広報のレベルアップを図りたい。 |