県広報コンクールの開催
3分の2以上をJA関係が占めた。JAの在り方や農家経営の課題、食の問題、農産物の品質向上など共通のテーマを抱える中で、個性的な企画や切り口を思案する担当者の苦労を感じた。 経済団体などを含め、全体的に真面目な紙面づくりが目立ち、ためにぎっしりと字を詰め込んだページも散見された。「読み応え」より、いかに「伝える」かに重点を置き、本当に知ってもらいたい情報は何かを絞り込んだ方がいいと感じた。 特集では、JAハイナン11月号の「新規就農者誕生」、くみあいだより3月号の「あたらしいみかんの研究」、静岡商工会議所報Sing9月号の家康公がらみの特集が読ませた。特に三ヶ日町農協はみかんの有名産地であることをさらに進化させようと浜松医大、果樹研究所と共同で3カ月にわたり、青島ジュースを飲み、体の変化のデータを収集するプロジェクトはいい着眼点だった。なんすん11月号の「なんすんの秋の味覚」も必要にして十分(多すぎないという意味)な情報が盛り込まれ、見やすかった。 また、おおいがわ12月号の肥料の豆知識、JAハイナン11月号の営農情報も栽培の基礎知識があらためて確かめられる好紙面だった。 ユーモアを交えたものは心に残る。具体的には、とぴあ3月号の表紙を見た瞬間、ビートルズを連想した。中をめくると、果たして「アビーロードならぬ畔ロード」とあり、思わず、ニコリとさせられた。審査対象外だが、同じくとぴあ2月号もおじいさんがバレンタインで奥さんから贈られたと思われるハート型のおにぎりを手にし、「こんなのもらっちゃって来月がこわいなぁ」のキャプションがきいている。オアシス12月号の「才色兼備」にかけた言葉遊びも楽しい。難しい世の中だからこそ、ほのぼのとしたユーモアは読者の心に響くだろう。 繰り返しになるが、いかに「伝える」かが重要だ。内容がよくても、目を通してもらえなければせっかくの苦労も空振りに終わる。その意味で、ときめきネットワーク9月号の特集「詐欺にご用心」は、各ケースごとに軽妙なイラストと注意すべき言葉で埋めた吹き出しをつけ、最後に振り込め詐欺の認知件数を全国、静岡県、地元の磐田、袋井、天竜署と順に身近な場所に引き寄せていく構成になっており、よくできていた。 様々な分野から集まった広報紙でしたので、一律に審査するのは難しかったのですが、どの分野でも「自分たちが伝える事」の目的をはっきり持った上で企画・構成されており、さすがその道のプロだなと感心させられました。 その中でも、ソフトな企画を取り入れてみたり、息抜きのコラムが常設されていたりと、読む側に立った企画も多数見受けられ、またまた感心させられました。 いろいろな分野にふれるチャンスをいただけたと思い、すべてを興味深く拝見させていただきました。今年も審査を通し、有意義な時間を過ごせた事に感謝いたします。 ありがとうございました。 ・年々、企画力がアップしてきている。 企画(特集)のポイントは、「今なぜ、この企画なのか」ということが明確であることだ。 ・レイアウトの大胆さが紙面にメリハリをつけることにつながっている。 ・記念写真か、記録写真、説明写真か、イメージ写真かを意識して写真を撮る。 ・料理写真にシズル感を出す。 ・本文には、適宜見出しをつけて、読みやすくすることで情報の交通整理をする。 ・平均していえば、コストパフォーマンスの点でも、よく研究されている。 ・ホームページやSNSへの誘導で、情報に多様性と厚みを持たせる。 |
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