県広報コンクールの開催
一枚写真に比べ、組み写真の評価は難しいと感じました。 自治体の広報誌という性格上、写真だけで語るのではなく、キャプションやレイアウトで随分と受ける印象が違ってくるからです。 例えば、豪雪などの災害や防災訓練といった組み写真は、広報誌として重要な意義がありますが、お祭りなどのイベントをテーマにしたものと、同じものさしで比べていいのか、悩ましいものがありました。 また、組み写真は、数が多ければメッセージを伝えられるというわけでなく、その取捨選択の自由がある分だけ、編集していく作業の難しさがでてきます。全体としてどういうメッセージを伝えていくのか。あるいはどういう流れを作ってドラマを見せるのか。写真を選ぶ側に確かなイメージがないと、どうしても舌足らずだったり、逆に饒舌すぎて散漫な印象を与えたりするケースもでてきます。それこそが、組み写真の妙味でもあるわけですが。 敢えて作品を一つあげるとすれば、「広報いずのくに」の竹灯籠祭は、祭り情緒を夜景で切り取り、放置竹林の現状を知り、現代における竹のあり方について考えてもらう、という狙いを昼間の準備風景で写し出していて、強いインパクトがありました。 デジタル時代を迎えて、動画への関心や影響力は大きくなっていますが、スチール写真には、動画とは異なる味わいと訴求力があります。これからもぜひ、その高みを追求していただきたいと思います。 組み写真部門は、全体的に写真の表現力・技術力よりもレイアウト等の構成力の差が大きく感じられました。 イベントや行事等、読者にわかり易く伝える為の工夫や構成・写真の選定が行われ、担当者が掲載意図を明確にした上で全体の紙面作りに尽力されているのがうかがえます。 「広報おやま」は、地域災害時の緊迫した状況を写真で上手く伝えながら住民に安心感を与え、「広報ふじ」ではお祭りの興奮を伝える為に撮影だけでなくタイトル文字や構成・写真選びにも創意工夫が見られました。掲載点数にも読み手にわかりやすく伝える為の気配りが感じられました。 高評価だった広報紙はどれも担当者の掲載意図が強く反映され、同時に読者にとっても有益な広報紙に仕上がっていた様に感じます。 各団体、大変な苦労もあるかと思いますが今後も市民の為になる広報紙作りが継続されていくと良いと感じる審査でした。 今年もお祭りの組み写真が多数有りました。 その他の市民参加のイベントも多く、広報担当の方々の大変な事が良くわかります。一日でこれだけ撮影するのですから。 でもこれだけ多くの写真が有るから色々な組み写真が出来てくるのですね。 なかでも「広報かんなみ」のかんなみ猫おどり、写真もよくレイアウトもいいですね。 |