県広報コンクールの開催
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〈審査委員〉 中日新聞 静岡総局長 柏田 健次郎
静岡大学教育学部 准教授 川原�� 知洋
静岡県広報業務アドバイザー（広報技術） 平野 雅彦
◇行政から住民へのインフォメーションとして広報紙の役割は大きく、各誌とも必要な生活情報の扱い方や伝え方は整えられていて、過去の発行の積み重ねが生かされていると感じました。 インターネットでの情報発信が拡大する中で、紙媒体の手触り感を大切にする姿勢には大変共感しました。人員など限られた条件下で心の通う広報誌を届けたいという熱意に敬意を払いたいと思います。 甲乙付けがたい中で、審査では特集でどう引き付けるかにポイントを置き、特徴を比較検討しました。新聞もそうですが、最初に目に入るフロントページ（表紙）をどう構築するかによって、その広報紙が最も重要視する意図が見えてくるものだと思います。そうした表紙と特集記事が連動している広報紙は、メッセージがよりはっきりと伝わりました。 とりわけ、吉田町は、子どもを挟んだ若い夫婦の暖かい日常を切り取った表紙の写真が印象的でした。添えられた「ぎゅっと」というワードも、子育て環境に取り組むイメージに結びつく響きを感じました。表紙に連動した特集は、写真のレイアウト、記事の読みやすさとも工夫を凝らししていて、町全体に子育てしやすい環境が浸透していることを具体的に現していたと思います。 ◇表紙の写真の選定についてはどの広報紙もこだわりが感じられた点が共通して良かったと思います。 吉田町の特集は「ぎゅっとなまちで子育て」。表紙をあけると季節感のある紫陽花の写真と可愛らしい赤ちゃんの写真が目に入り、思わず読み進めたくなりました。文章を読ませるページと感覚的に視覚のみで楽しめるページとのメリハリがあり全体の構成がうまくできておりました。また、各ページの写真の選定とレイアウトがとても効果的でした。 河津町の特集は「古から未来へつなぐ想い」。堅くなりがちなテーマですが、写真の選定やレイアウトなどの工夫で思わず見たくなる、読みたくなるような紙面構成だと思います。文章の前の「見出し」のフォントの大きさ、レイアウトなども調和がとれていると感じました。 ◇良い取組は、良い広報である。先ずは、取組がおもしろいか、有意義かが大事である。どんなに広報を頑張っても、取組に想いがないと、本末転倒になる。 先ずは、どの広報紙も、地域の小さな情報（ハレやケを含めて）や人の動きなどにも目を配っていることが伝わってきて好感を持った。 文章は、必要に応じて、多くなることがある。多くなったことは悪いことではない。多くなった文章をきちっと読ませるのはデザインの力である。 良い広報とは、良い取組があってこそ、成り立つという大前提を忘れてはいけない。広報は、いわゆる「パッケージ」ではない。おいしくない食品を、どんなに有名なデザイナーがパッケージをしても、残念な味はやはり残念な味でしかない。 そういった意味で、今回提出された広報誌全般が、良い取組の上に成り立っていた。したがって、すべての広報誌に対して平均よりも高い点数を付けた意図はそこにある。 |