県広報コンクールの開催
〈審査委員〉 産経新聞 静岡支局長 青山 博美
全日本写真連盟静岡県本部委員長 藤田 寛司
静岡県広報業務アドバイザー(デザイン) 八木 朋美
◇豊かな自然、子供たちの笑顔、市民の躍動感…。 県下市町の広報紙ならではの心温まる写真は、住民はもとより県外の人が観ても大いに和まされるものばかりでした。 前年との比較はできませんが、令和5年に限ればキーワードとして思い浮かぶのは「屋外」「祭り」「交流」といったあたりでした。長引いた新型コロナウイルス禍を乗り越え、4年ぶりに開催された夏祭りの様子や、久しぶりに制限なく大自然を堪能する被写体の姿が印象的です。 島田市の作品は野の花を摘む子供の表情が生き生きとしているし「花畑で春探し」というコピーもコロナ禍の終焉とマッチしています。焼津市や下田市の祭りの写真、御前崎市、菊川市のイベントの様子などにも同様の印象を持ちました。 一方、牧之原市のサーフィンの写真や清水町、三島市の水辺の写真も地元の豊かな自然や季節感があり、好印象です。 郷土の魅力は気候や文化、自然などに加えて、そこで生きる人々が織りなすものだと思います。各市町の広報紙は、そういった総体をよく表し、地元の魅力を広く住民や市町外にも伝えるものとして貴重で、その役割を担い、よく果たしていると感じました。 ◇全般的に子供の写真が多かった。その中でも表情の良いものを選ばせて頂いた。子供は動きが早く、中々表情や動きを提える事が難しい被写体である。応募者のコメントの中に最適なカットを撮るために、200枚以上撮ってその中からセレクトしたとあったが、写真に対する熱意を感じ、それがこちらに伝わってくる。 皆さん、ほとんどの方がカメラはデジタルなので10枚、20枚、いや100枚撮ってもお金掛はからないし、是非参考にされたらと思う。半面、表情を提え切れていないものも多く、楽しいだろうと思うが、楽しく写っていなく、美味しいだろうなと思うが、美味しそうに写っていない写真も散見された。 人物写真は表情が大事なので、亥々と変わる表情は枚数を撮ってものにしたい。 なお広報写真は記録と云う役割も持っているので、難しいと思うが、見せる写真、魅力ある写真にするためにひと工夫したいところだ。 ◇コロナが5類に移行し、4年ぶりの開催となる行事が各地で開催され、写真もそれらを捉えたものが非常に多く見受けられました。久しぶりに行われた行事の盛り上がりを表現したい、子どもたちの笑顔で明るい未来を表現したい、という写真で溢れており、紙面からも喜びや活気が感じられました。また、マスクが外れたことで顔の表情が捉えやすくなり、魅力的な写真に繋がっていると思います。 広報写真では、紙面での写真の活かし方やタイトル・コピー等の入れ方を工夫することが求められます。写真自体は魅力的だけれど、紙面での活用の仕方が残念、という例がいくつも見受けられました。良い広報写真とは、企画意図が十分に伝えられ、対象や紙面を魅力的に見せるものを指すと思います。高評価を得た広報紙は、写真自体の素晴らしさはもちろん、写真の活用の仕方など、紙面デザインも優れていたと言うことができるでしょう。 |