協会結成の趣旨
このごろの新聞をお読みになった方は、
『人々の世論を無視しては、何も出来ない』という記事を、ごらんになることが多いと思います。
民主主義が叫ばれて既に十余年、世のすべては、その線に沿って、民主化され、近代化されながら漸進して来ました。国民の理解と協力がなければ、政治は成り立たないし、企業も信頼と支持のないものが、つぶれるのは当り前の時代になっております。それは、私どもが、直接関係のある県や市町村の行政でも、団体の運営や企業の運営でも同じことです。ここにPRという考え方が必要となり、納得と同意を得るための、広報活動が盛んになって来たことは、当然の現象と云えましょう。
県では、いち早く広報課をおき、その後十年、現在、県民会館が、県民へのサービスセンターとなり、『県政と県民を結ぶかけ橋となる』ことを目標に、県の広報、広聴、調査等のPR活動を実施しています。
また一方、進歩的な近代化された企業体では、対外、対内とわず、既に熱心な、しかも、スマートなPR活動を行つております。しかし、一般官公庁をはじめ、県下の市町村や、各種団体では、その必要性を知りながらも、その認識の度において、またその方法技術において、まだまだ不十分であり拙劣の域を脱していない現状ではないでしょうか。
ここ二三年来、県民会館はPRD組織を通じて、各種団体、機関等と横の連けいを保つと共に、広報活動の相互援助を図って来ましたが、役所として県民会館の活動には、おのずから制約があり、その範囲にも限界があって、所期の目的を達成するのは、なかなか難しいようです。
そこで、この際、県内の官公庁を始め、県、市町村、各種団体、企業体を広く網羅して、相互の連けいによつて、今後一段とPRへの理解と認識を深め、広報技術の向上を図り、これらの活動を通じて行政の近代化、企業経営の振興を促進するため、静岡県広報協会の結成を図ることになりました。
たまたま、昨年夏以来、中央の、全国広報研究会会長金森徳次郎氏(国会図書館長)から、本県に対し、同会の支部を設置するよう要望があり、関係者により、準備を進めて参り、今回、これを機に、同支部の事業を中心に、本県独自の構想を合せ、四月二日静岡県広報協会の創立総会をひらくことにしたわけであります。
すでに、数年前より、全広研の会員として、入会しておられる市町村や団体も、今日までに百余を数えるに至りましたが、県広報協会として組織の充実を図って結成するにあたり、各方面各層の御加入をおすすめしたいと思いますので、よろしく御協力をお願い申し上げます。
昭和三十二年四月一日
静岡県民会館長 | 塩谷一夫 |
静岡県教育委員会総務課長 | 鈴木誠志 |
静岡県市長会事務局長 | 池田太郎 |
静岡県町村会事務局長 | 永井喜由 |
静岡県農業協同組合中央会専務理事 | 栗原祐幸 |
静岡県森林組合連合会専務理事 | 内山信一 |
静岡県漁業組合連合会専務理事 | 大高圭三郎 |
静岡県商工会議所連合会事務局長 | 藤田隆平 |
静岡県郷土をよくする会事務局長 | 石原 郁 |
静岡県公民館連絡会事務局長 | 四宮圭一 |
静岡県婦人団体連絡会事務局長 | 近藤雅邦 |
静岡県青年団連絡協議会事務局長 | 杉谷正雄 |
静岡県子供会世話人連合会副会長 | 井上光一 |
静岡県観光協会専務理事 | 笠井節三 |