県広報コンクールの開催
・各紙ともお知らせの扱いに苦労していると思う。市の広報紙としてはやむを得ないかも知れないが、焼津のように各ページの下段に集めるとか、菊川のように別刷りにする方が絶対読みやすい。別刷りは金がかかるか? ・お知らせにスペースを取られる分、特集や企画が前半三分の一程度に集中してしまい、同じような作りになってしまうし、予算など行政の大きなものが入ると、楽しく読めるところがなくなってしまう。肝心のお知らせも読まれないかも知れない。 ・表紙や裏表紙にはかなり工夫はしているが、一部の市で広告を入れてあるところがある。いかに財政上の問題とはいえ全市民に配る広報紙としてはいかがなものか。広告分のスペースを利用して読みやすい紙面を作るべきだ。 ・施政方針や議会便りを入れるのもやむを得ないかも知れないが、施政方針の原稿をそのまま入れるのでは工夫がない。中見出しや項目別レイアウトなどすべきだ。御殿場の審査対象外の4月号が参考になる。 ・デザインを一部外注しているところが9市あった。小さく少数でしかも兼任でやっている市は別として、なるべく独自でやった方がいいだろう。 ・ボランティア、高齢者問題など難しい課題にトライし、分かりやすく表現してほしい。 23の県内都市の作品を拝見して、採り上げられたテーマをみると、地域の高齢社会化・障害者との共生・都市活力再生・在宅医療・地場産業製品など、かなりの力作が並んでいることに驚かされました。 そのなかでとくに印象に残ったのは、島田市(障害者との共生)と伊豆の国市(地域の高齢社会化)で、それぞれに特徴があり、甲乙つけがたい作品でした。 しかし、数年前と比較すると、静岡県内の自治体広報活動を牽引していくような役割を担える広報紙は、見つからなかったというのが、もうひとつの率直な感想です。 なお、ぼくは長年、企業社内報の全国コンクールの審査もやってきましたが、こちらにも似たような傾向(ゆるやかな衰退とでも言うべきもの)は、感じていました。 それでは、この数年のあいだに、広報の世界でなにがあったのか。人(編集担当者)が変わったかもしれないし、予算も減ったかもしれない。あるいは、人も予算もほぼ同じだとしても、業務そのものが多様化し多忙になり、紙媒体の編集にこれまでのように手をかけにくい状況が到来しているのかもしれません。 とくに、フェイスブック・ツイッターなどに代表されるSNSの急速な普及は、喧伝される利点とは別に、情報受発信者の思考体系や表現技法その他に微妙な影響を与えているような気がしないでもありません。 しかし、自治基本条例や市民参画条例などを整備する自治体も増えて、自治体と市民の協働・市民社会形成への動きが加速する気配も感じられる現在。地方自治における広報の役割とニーズはさらに増大していくはずですから、編集環境や人がどう変容しようとも、「伝えたい思い」を大切にして、媒体の特性を考慮しつつ、「その思いをカタチにできる技量の研鑽」にたゆまぬ努力をして欲しいと思っています。 どの広報紙も地域に目を向け編集され、それぞれ特徴のあるものでした。 多くの市民が大切な情報を得る広報紙だからこそ、地域密着性のある話題や記事があること、また難しい出来事などを解り易く根本的に読み易く仕上げなければならない事、それを実現するための努力の跡がどの地区の広報紙にも見られました。 各広報紙の編集力にも個性があり、文字組み、色使いやビジュアル面での表現の仕方、違うカテゴリーの記事に優先順位をつけてまとめる事など優良なものが多くあると感じました。 企画の着眼点として、やはり地元ブランドの発信は市民に誇りと力を与えると思います。 また日常の市の活動も細かく紹介があると市民との連帯感が生まれ相互理解が出来、より良い市を望む市民の向上心が生まれます。 市民が交代で取材や編集に携われて能動的に広報し発信できる場があるのも参加型でとても良いと思いました。 身近な出来事の紹介なども親近感が沸き、興味を持ちます。 市民が求める情報を提供することはもちろん、市民と共に良い市創りに励むことが出来る企画内容の広報にこれからも期待します。 |