県広報コンクールの開催
〈審査委員〉 読売新聞 静岡支局長 小川 翼
静岡デザイン専門学校 教諭 本野 智美
静岡県広報業務アドバイザー(広報技術) 平野 雅彦
◇どの団体の広報紙も、それぞれ読者のニーズを踏まえ、それに答える工夫をしていることが読み取れました。記事も、必要以上に長かったり、重複が多かったりということがなく、丁寧かつ簡潔にまとめられているという印象を受けました。全体的にハイレベルだと思います。 JAとぴあ浜松の「とぴあ」は年6回の発行ですが、40ページとボリュームたっぷりで読み応えがありました。全体的にすっきりとしたレイアウトで色味も優しく、読みやすい。「人」をたくさん登場させ、それぞれの表情をしっかり捉えた写真も素晴らしかったです。4、5ページの「私たちの農ライフ」は記事も写真も秀逸で、レイアウトもばっちり。取り上げたご夫婦の人柄がよく表れていて、ご夫婦が手がけたエシャレットを食べてみたいという気持ちになりました。コンテンツも多種多様で、毎号毎号を保存版としてとっておきたくなる作品に仕上がっていると感じました。 JAおおいがわの作品は、農産物の写真を大胆に見せるフロント面がとても印象的で、センスを感じました。2ページ目を丸ごと写真にした見開きの「収穫人」、4ページ目まで続くズッキーニの紹介は、記事、レイアウトともに巧みで、ぐっと引き込まれました。中盤の特集も、イラストや図表を配置して分かりやすくまとまっていました。全体的に、とてもさわやかでおしゃれな印象を受けました。 JA掛川市の「あぐり」は、なんと言っても特集が面白かったです。フロント面を含め、写真もデザインも優れているうえ、「びっくりする未来が待っている」などと読者を誘導する見出しも上手で、うまい仕掛けだと感心しました。書店やコンビニ店の本棚に並んでいても違和感がないような洗練された「新しい広報紙」だと思います。コンテンツも多彩で、読者を飽きさせない仕上がりでしたが、一部、色づかいが強すぎる部分もあったように思います。色のつけすぎにならないようにしてもらえると、さらに良くなるのではないでしょうか。 市町村職員共済組合の作品では、冒頭の「ゆるっとoff旅」が目を引きました。フロント面を含めて写真の見栄えがよく、読者を引き込むことに成功していると感じました。地図や観光協会HPなどにつながらるQRコードもあって親切。全体的に堅苦しくなく、楽しみながら、分かりやすく情報を得ることができました。「家族との話題のきっかけになる紙面を目指す」という狙い通りの作品になっていたと思います。 ◇団体広報紙は、各分野の専門性の高い情報を吸収できることが楽しみの一つでもあり、また、その志の高さに毎回身が引き締まる思いでもあります。 食や医療など、私たちの生活に欠かせない分野の広報紙の審査をしていると、この活動をもっと広く多くの方々に伝えたい!そんな想いに駆られます。それほど団体広報紙の情報発信には高い価値があります。 これからも客観的視点を持ちながら分野内外への情報発信を続ける団体広報紙制作の活動を応援し、後押ししていけたらと思っています。 いろいろな分野の専門性にふれるチャンスをいただけたと思い、すべてを興味深く拝見させていただきました。 審査を通し、有意義な時間を過ごせた事に感謝いたします。ありがとうございました。 ◇昨年にも増して、JAの各広報紙の充実が目立った。 JAは3カ年計画を立て、その目標に従ってあらゆる活動を行い、その一環として広報・広告を位置づけている。つまり地域差こそあれ、グループとして一貫した計画のもと、広報活動を実施しているのである。また、県下JAで広報コンクールを実施しており、優秀な広報活動は、全国規模で実施されているJA広報大賞でも優秀な成績を修めている。今回応募のあった広報紙の出来映えは、その成果の賜であろう。 近年、世界規模での天候不順や紛争によって、農畜産物の高騰が毎日のようにニュースになっている。広報は、広報媒体全体の取り組み、もっと言えば、全活動が有機的に結び付いて、はじめて広報・広聴の役割を発揮するのである。 JA以外の広報でもその活動が目立ったのは、「こども病院ひろば」である。極めて専門的な医療知識や現場の知見をこれだけ正確、且つわかりやすく言葉にするのは至難のワザだ。高く評価したい。 |
| とぴあ浜松農業協同組合 | JA掛川市 |
| 大井川農業協同組合 | 遠州中央農業協同組合 |
| 地方独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立こども病院 |